2017-07-06から1日間の記事一覧

本田一楊  (モダニズム短歌)

・天使の翼といふ兒をきけばいちじるき襤褸(らんる)ひかれる孤兒なりしなり ・足萎えの幼女もの言ふ陽のおもて冬ながらやはきその髪(かむろ)のひかり ・み使いの鳩とぶべかり幼ならの孤兒ならなくて神を知りそむ ・鐵の門日もすがら乗りて搖れる兒の呼べばこ…

赤い作曲  石野重道  (稲垣足穂の周辺)

『彩色ある夢』1983年版より 深夜 モモ色のカーテンを窓におとして、未来派の作曲者L・O氏は、ピアノの前に居るXXXX 古への、サラセン帝国の蒼空と尖塔に乱れて、深紅のストツキングが、騒音と、怪韻に舞踊をする 無数の音彩が、正乱として不正のうちに凝り…