2018-06-01から1日間の記事一覧

果たして泣けるかについてきみは知らない 酒井正平  (詩ランダム)

果して泣けるかについてきみは知らない 酒井正平 雪の中でぼくはみたペリカンはペリカンであつたと十棟の夢が僕を裸にする馬がその活素を吹きながした僕はベッドの上でバラを嗅いだセンセイョと僕は白い髯をみたセンセイョぼくは馬になりたいみよ 町はミルク…

日傘  江間章子  (詩ランダム)

日傘 江間章子 私は午後の庭園を横切る。冷たい石疊に燃え上る花模様の翳を踏んで。白く濡れた林の向ふで搖れるのは仄明るい鏡である。その鏡に映る見知らない村。共同墓地の上に眞靑な太陽がのぼる。すると、木蔭の卓子に俯伏してゐる男の手から陽光のやう…