2018-06-17から1日間の記事一覧
ハツプスブルグ家の森 近藤東 宵闇がお前の室をだんだん暗くする。 お前はそれに逆らつて化粧する。 それは百年づつ昔を物語る。白い下肢のあたりから。 ハツプスブルグ家の森を愛撫する。 僕は僕の旅行を中止する。 鏡の中の椿の花が僕の唇へとんでくる。 …
春の約束 澤木隆子 空の鏡が拭き清められたうらゝか地上の花を愛しむには面映ゆいけれど二ムフのやうに快い匂ひをふり撒き硝子の家から花達は招く 召し上れ 召し上れ 魔法色のお砂糖水彼女らの和やかな身のこなしに牽かれてうつかり人はそれをのむであらう二…