2020-03-09から1日間の記事一覧

孤独 丘英二(張良典) (詩ランダム)

孤獨 丘英二 憶ひ出の小夜曲をひきひき孤獨は訪れる x示指が藥指より長い不思議な別れた戀人の秘密も感觸も今は油蟲に喰ひつくされた反古 x弦の切れた樂器のやうだとけなしても孤獨は何かしら親しみ深い表情で花のない花瓶に倚りかゝつて一夜中私を笑はせな…

郷愁の冬 丘英二(張良典) (詩ランダム)

鄕愁の冬 丘英二 蟻の巢くつて皮のはげかかつた枯木の枝の草庵に病痾を橫たへた老人の溜息に似た震慄の滾々と流れる哀情を溢らして奏で續ける愁絕な葬禮曲をきく僕は敗殘の身に託し處を求めて疲勞と辛苦に咽ぶ流浪者の追想と絕望との人生のパイプをくゆらし…