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田島とう子 (モダニズム短歌)

 

・屋上のともしき土に誰(た)が植ゑし鳳仙花のはなこぼれてやまず 

・月にさへかくれまほしくせし秋のいたきおもひはわが影となりぬ 

・逝く秋のひと夜のをごりセロ聞くと好きなる衣(きぬ)をとりいだしたり 

・ひとも無く會場もなく音律のながれにひたりてわれさへもなく 

・さぎりの鋪道のおち葉フイナーレのピニシモなほ耳にのこれる 

・つくづくと汽車にゆられてゆくこころただ秋かぜを聞かむばかりに 

・とんねるは山ひだごとにかかるらしはざまはざまを水のながるる 

・しんしんと落葉松(からまつ)ばやしはてもなしあるとしもなき逕のひとすぢ 

・細川のみなもとのみづ湧きあまりながれなづみて堪へしづもる 

・岩かげにわきてたたふる眞清水をしみらに見れば水泡(みなは)ごもれり

・生れて二日といへばみどりごの熟睡(うまい)かそけくてこの世のものならず

・兄といはれてすこしはにかむをさなごのこころは下にさぶしめるらし 

 

 

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