姿勢する  山中富美子

 

 

姿勢する

          山中富美子

 

月も眠る
樹蔭の石像の午後
空想の内に氣絕してゐる日影

その閃きに日光の眼は死ぬ。

 日影にもつれて。そこだけは明暗のレエスの黑い薔薇に色どられた影のマスク
沈默を浮彫してうしろから退きかゝる。
同時に樹々はその翼を空つろに茂らし
恐怖は夜の影となる。