沈黙  山中富美子

 

沈默

         山中富美子

石の窓にからまる花らの明るい深みから
草に落ちる影ら、生々とずるい微笑よ
やがて死ぬのだった人の出發を
思出すたびに。

アトリエの冷たい柱のかげ、生きてゐるのは夢だつた。白い腕につみとる溫かみのやうに。