額のばら  澤木隆子  (詩ランダム)

 

額のばら

             澤木隆子

何も言はずに莨を吸ひませう、
部屋中が煙でいつぱいになつたら
私も窓を開けて出て行きます。

 

出て行く私を憐れむんぢやありませんよ、


雲つた額には
恒に薔薇を挿して居ります

 

 


『Rom』(紅玉堂 1931)より

 

 

 澤木隆子 記憶
澤木隆子 心
澤木隆子 雪

 

 

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