窓  井上多喜三郎  (詩ランダム)

 

          井上多喜三郎

 

インキ壺の海に

沈んで かなしい 僕でした。

 


颯爽と ゆきすぎる

白いパラソルの娘

僕は掬われる

 


原稿紙は 風にふかれて

ハンモツクでした。

 

 

 


※原詩には「パラソルの娘(こ)」と振り仮名があります。


『MADAME BLANCHE』第7号 昭和8年(1933年)6月

 

 

 

 

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