2018-06-15 夏の一頁 山中富美子 (詩ランダム) 夏の一頁 山中富美子 柱の下で過ぎて行く夏月曜日の長椅子の花の一むれつかれた頭を、そこにうづめる。瞳をそれて空の方へ。 雲は正午の壁の向ふに。玻璃の海の恐怖を浮べてものうく眠る。 日にやつれたガラスの茂みに涼しい日向の時計は空しく綠にかこまれ早くもタイムは逆しまだ。 レエスの部屋に忘れた日記の如く白い手巾は床に映つて、なほ、生きてゐる。 『MADAME BLANCHE』第1号 昭和7年(1932年)5月 山中富美子 思出山中富美子 海岸線山中富美子 姿勢する山中富美子 睡眠山中富美子 聖夜山中富美子 園の中山中富美子 沈默山中富美子 夜のイニシヤル山中富美子 夜の花 詩ランダム