古びた庭園 利野蒼(李張瑞) (詩ランダム)

 

古びた庭園

                                     利野蒼(李張瑞)

 

月光を浴びて、古びた庭園の影、ゲツキツの香気に讃美歌を口ずさむ少女、その横顔。


虚空を流星の聖母は月桂冠をぬいで上天する。


天国の扉は愛の悲しい使者である。少女の柔い手には脆い。アダムとイブと林檎。少女は常に聖書(バイブル)を離さない。


地上の夢は神の嫉妬を恐れて。
ゲツキツは匂ふことをためらひ。少女は歌ふことの自由を忘れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

文雅「『LE MOULAN』第3輯における李張瑞の作品」より
原文は正漢字、歴史的仮名遣いなのであろうが、現物未見なので阮氏の表記のまま再現させて戴きました。

利野蒼の現在発見されている作品は全20作。その内2つが短編小説、残りは詩、その詩のうち7つが、台湾の研究者によると現在中国語訳しかないようです。

 

 

利野蒼 或ル朝

利野蒼 白き空間

利野蒼 セエター

利野蒼 テールームの感情

利野蒼 風景ノ墓石

利野蒼 迷路

利野蒼 臨終

 

水蔭萍 雄雞と魚 台湾 風車詩社
林修二 喫茶店にて 台湾 風車詩社
丘英二 星のない夜 台湾 風車詩社
戸田房子 遠い国 台湾 風車詩社

 

 

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