2017-05-20から1日間の記事一覧

中田忠夫  (モダニズム短歌)

・さるにても遠き月日よあまざかるIRANの空に馭者座(カペラ)がまはりし ・遠くにて銀河のめぐる夜々(よよ)となり魚(うを)の目玉にガラス植ゑらる ・牛追へば白き月いでぬ郷愁よ樹々を吹く風に言葉はならず ・かぎりなく散るは鱗翅か秋なれば窓に硝子の波紋も…

田島とう子  (モダニズム短歌)

・屋上のともしき土に誰(た)が植ゑし鳳仙花のはなこぼれてやまず ・月にさへかくれまほしくせし秋のいたきおもひはわが影となりぬ ・逝く秋のひと夜のをごりセロ聞くと好きなる衣(きぬ)をとりいだしたり ・ひとも無く會場もなく音律のながれにひたりてわれさ…