2018-06-26から1日間の記事一覧

ロマンに做つて  西崎晋  (詩ランダム)

ロマンに做つて 西崎晋 海のなかの海のやうにと歌つたあなたの友へ訪れる陽のひかりもないヴイタ・パブリカ通りのあたり ✱ ひとりは眼球にひとりは逃走する野獸の頰に隠れて佛蘭西歴史はきてゐます 『MADAME BLANCHE』第10号 昭和8年(1933年)10月 詩ランダム

海の方へ  伊東昌子  (詩ランダム)

海の方へ 伊東昌子 犬羊齒の燃える音がする 暗いこの道を かつてはその胸に匂つた 花飾りのやうに むすぼれた氣品にとまどひして 『MADAME BLANCHE』第10号 昭和8年(1933年)10月 伊東昌子 失踪するエロイカ伊東昌子 南方飛行便 詩ランダム

独楽  西條成子  (詩ランダム)

獨樂 西條成子 栗色の馬車に乗つて太古よ あの音は睫毛の洗禮です 思はずも燈した螢は 澄んで來た生誕に驚き 休憩室は寒國の匂ひです。 『MADAME BLANCHE』第14号 昭和9年(1934年)3月 西條成子 青き絵筆に西條成子 雲西條成子 再会西條成子 策取西條成子 プ…