LOGIQUE DU OBJET 上田敏雄  (稲垣足穂の周辺) モダニズム     

 

        A NISHIWAKI JUNZABURO

LOGIQUE DU OBJET

髭の生へた麥酒瓶 髭の生へた麥酒瓶 髭の生へた麥酒瓶
臺に頤を載せる女が彼女の髯の生へた踵を顧みる
髭の生へた頭腦 髭の生へた頭腦 髭の生へた頭腦

衡り得る要求と服従は既に科學的で無感興である
             

 

           A ASAKA KENKICHI

LOGIQUE DU OBJET 

明快な猫 彼女は循環する猫である

私は明快な猫と彼女の循環を識る人間である

私は明快な猫と彼女の循環を識る人間である

私は明快な猫と彼女の循環を識る人間である
明快な猫 彼女は循環する猫である
            


           A UEDA TAMOTSU

LOGIQUE DU OBJET

あまり暑いので女神はかの女の着物をといた

かの女は暑い波にかの女の腿をつけた
oh POISSON FAUX
POISSON FAUX 彼の僞造の唇
の上に日傘が廻る
BRISEZ OMBRELLE
SAULE LONGUEUR LONGUEUR LONGUEUR LONGUEUR LONGUEUR
SAULE LONGUEUR LONGUEUR LONGUEUR LONGUEUR LONGUEUR

私は浴槽で孔雀に戯れる
PAONNE FAUSSE JE SUIS PRINCE PERPETUELLEMENT PERPETUELLEMENT PERPETUELLEMENT

 

 

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