神の白鳥
乾直惠
神さまが、膝でスワンを慈しむ。
御手にふれたこの拔け羽毛(げ) !
ぼくは冷たい歌を思ひ出す、
塒をさがす小鳥のやうに。
ぼくはあなたの毛皮のなかへ走りこむ、
ストーヴに凍(こご)えた兩手を翳すために。
ぼくはあなたのスエーター・ポケツトに潜りこむ、
團欒の、明るいピアノを聽くために。
※「羽毛」2文字で「げ」
『花卉』(椎の木社 1935)より
乾直恵 朝は白い掌を
乾直恵 Echo's Post-mark
乾直恵 菊
乾直恵 極光
乾直恵 睡れる幸福
乾直恵 鮠
乾直恵 光の氷花
乾直恵 村