薬屋  広江ミチ子  (詩ランダム)

 

藥屋

         廣江ミチ子

苺ほどそこいらだけがあかるい

目盛りのやつれた

グラスをかたむけて

糸を壓すと海が

みるみるゆれて來て

私には

ビンの列しかわからない

 


『VOU』第4号 昭和10年(1935年)12月

 

 

広江ミチ子 行列

広江ミチ子 女教

 

詩ランダム