青き絵筆に  西條成子  (詩ランダム)

 

靑き繪筆に

          西條成子

 

 薔薇の微笑の束の間も
あなたはほころびる
遙かなる掟の前に
美しい寶石を思ふ瞳の様に
象徴の夢はなほも蒼穹をめざして
あゝ重ねられたる祝杯の音は
いつも澄んでゐましたのに。

 

 


『MADAME BLANCHE』第15号 昭和9年(1934年)4月

 

 


西條成子 雲
西條成子 独楽
西條成子 再会
西條成子 策取
西條成子 プリズムの夢

 

 


詩ランダム