海の方へ  伊東昌子  (詩ランダム)

 

海の方へ

         伊東昌子

犬羊齒の燃える音がする

暗いこの道を

かつてはその胸に匂つた

花飾りのやうに

むすぼれた氣品にとまどひして

 

 

 

 


『MADAME BLANCHE』第10号 昭和8年(1933年)10月

 


伊東昌子 失踪するエロイカ
伊東昌子 南方飛行便

 

 

 


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