策取  西條成子  (詩ランダム)

 

策取

           西條成子

靑い風の中を悲しく光つて柩が通るとき

白い夜の奢りの饗應に花の蹂躙を忘れなかつた

惡魔等の冷たき笑ひはそこに始まり

あやしげなその響きは谿間の白い階段に突き當つては

死んで行くのでした。

 

 


『MADAME BLANCHE』第8号 昭和8年(1933年)7月


西條成子 青き絵筆に
西條成子 雲
西條成子 独楽
西條成子 再会
西條成子 プリズムの夢

 

 

詩ランダム