説話  酒井正平  (詩ランダム)

 

說話

            酒井正平

 タイマツの點いてる暗さから遲々として落ちる指の様に指に基く言葉を點火(とも)ることに近付けてる 表裏ある空が映るアタゝカイその次にもたれる知性は還々的なる投影法が僕に飛行機をおしへるより飛行機にもとづく すぐれた中世の沈開法がヴェスビアスを薔薇にしたが あゝ でゝ行つてしまつた太平洋 !

 

『MADAME BLANCHE』第16号 昭和9年(1934年)6月

 

酒井正平 画布に塗られた陰について
酒井正平 航海術
酒井正平 肢
酒井正平 その日に聞かう
酒井正平 天文
酒井正平 七日記
酒井正平 果たして泣けるかについてきみは知らない
酒井正平 窓
酒井正平 洋服店の賣子など

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