時間
井上多喜三郎
近よる時間を帽子の中へかくしておいた。
急いでやつてくるあの子。
僕は帽子をとつて 高く打振るのでしたが
帽子の中からは 花粉が麗かにとびだして
僕等をすつかり包むのでした。
『MADAME BLANCHE』第10号 昭和8年(1933年)10月
井上多喜三郎 花粉
井上多喜三郎 言葉
井上多喜三郎 徑
井上多喜三郎 綴れない音信
井上多喜三郎 蜻蛉
井上多喜三郎 日曜 その他
井上多喜三郎 窓
井上多喜三郎
近よる時間を帽子の中へかくしておいた。
急いでやつてくるあの子。
僕は帽子をとつて 高く打振るのでしたが
帽子の中からは 花粉が麗かにとびだして
僕等をすつかり包むのでした。
『MADAME BLANCHE』第10号 昭和8年(1933年)10月
井上多喜三郎 花粉
井上多喜三郎 言葉
井上多喜三郎 徑
井上多喜三郎 綴れない音信
井上多喜三郎 蜻蛉
井上多喜三郎 日曜 その他
井上多喜三郎 窓