目覺めるために
左川ちか
春が薔薇をまきちらしながら
我々の夢のまんなかへおりてくる。
夜が熊のまつくろい毛並を
もやして
殘酷なまでにながい舌をだし
そして焰は地上をはひまはり。
死んでゐるやうに見える唇の間に
はさまれた歌ふ聲の
──まもなく天上の花束が
開かれる。
『MADAME BLANCHE』第5号 昭和8年(1933年)2月
左川ちか 雲のかたち
左川ちか 白と黒
左川ちか 花咲ける大空に
左川ちか 春
左川ちか 冬の詩
左川ちか 夢
左川ちか
春が薔薇をまきちらしながら
我々の夢のまんなかへおりてくる。
夜が熊のまつくろい毛並を
もやして
殘酷なまでにながい舌をだし
そして焰は地上をはひまはり。
死んでゐるやうに見える唇の間に
はさまれた歌ふ聲の
──まもなく天上の花束が
開かれる。
『MADAME BLANCHE』第5号 昭和8年(1933年)2月
左川ちか 雲のかたち
左川ちか 白と黒
左川ちか 花咲ける大空に
左川ちか 春
左川ちか 冬の詩
左川ちか 夢