2018-08-02 河 笹沢美明 (詩ランダム) 河 幼兒に與へる 笹澤美明 おまへから河が流れるまだ地下水のやうにかすかに響く兩岸はすべて宇宙だ季節は花々を映し月々は果實を投げる河口は遠くにあつて見えない未來とは夢だそれは神だおまへはつかむことが出來ないそれは時間の微粒分子が形づくる雲だおまへは河だ自身が流れた何ものもないやうに押し進むおまへは名を持ち大きな仕事を持つ完成すると最早おまへは何だろう葉を潤ほし果實を產んで永久に自身の名を保つ夏だ 笹沢美明 春苑 詩ランダム