悲劇役者  伊東昌子  (詩ランダム)

 

 

悲劇役者

        伊東昌子

夢々を駭かしては

洋燈を灯して沖へ歸らう

永い旅のあとのように

林檎の花が燃える

お午過は家禽たちの葬式

を見てゐる

 

 

 

『MADAME BLANCHE』第17号 昭和9年(1934年)8月

 

 

伊東昌子 海の方へ

伊東昌子 失踪するエロイカ

伊東昌子 南方飛行便

 

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