2020-03-09 孤独 丘英二(張良典) (詩ランダム) 孤獨 丘英二 憶ひ出の小夜曲をひきひき孤獨は訪れる x示指が藥指より長い不思議な別れた戀人の秘密も感觸も今は油蟲に喰ひつくされた反古 x弦の切れた樂器のやうだとけなしても孤獨は何かしら親しみ深い表情で花のない花瓶に倚りかゝつて一夜中私を笑はせない x禍福の轉輪を思ふてしんみりと床につくと孤獨は私の心を切り拔いて消える 1935.4.22「臺灣文藝」第2巻第6号(昭和10年(1935年)6月)臺灣文藝聯盟編輯 東方文化書局刊 復刻本より 詩ランダム