2020-01-01から1年間の記事一覧

中村節子 (モダニズム俳句)

旧号中村節女。藤木清子や三橋鷹女のライバル的存在だったときもあるらしい。句を見つけるのが難しい。新しい句が見付かれば差し替えもあり。 ・朝のサロン壁畫の裸婦に對して待つ ・白い夫人靑年と對きノーストツキング ・アネモネの靑きが吸えり煙草の輪 …

すずのみぐさ女 (モダニズム俳句)

田中みぐさ女→すずのみぐさ女→関口みぐさ女と号を3度も変えているので句が探しにくい。今後新しい句が見付かれば句の差し替えもありか。新興俳句の中でもモダニズム俳句と呼ばれるのは一般的に昭和10年前後の句に多いようだ。「白」「薔薇」はモダニズム語彙。 …

喜多青子 (モダニズム俳句)

・木枯やその風音を秘めし湖 ・さんらんと陽は秋空を磨くかな ・春愁のふと聽き入りし歌時計 ・蟲の夜のバネ人形の音かなし ・タイプ打つ七階の窓秋日和 ・除夜の座に時計のたるむ音ありぬ ・ジヤズいよよはなやかにして年は行く ・本箱にかくし酒あり冬ごも…

孤独 丘英二(張良典) (詩ランダム)

孤獨 丘英二 憶ひ出の小夜曲をひきひき孤獨は訪れる x示指が藥指より長い不思議な別れた戀人の秘密も感觸も今は油蟲に喰ひつくされた反古 x弦の切れた樂器のやうだとけなしても孤獨は何かしら親しみ深い表情で花のない花瓶に倚りかゝつて一夜中私を笑はせな…

郷愁の冬 丘英二(張良典) (詩ランダム)

鄕愁の冬 丘英二 蟻の巢くつて皮のはげかかつた枯木の枝の草庵に病痾を橫たへた老人の溜息に似た震慄の滾々と流れる哀情を溢らして奏で續ける愁絕な葬禮曲をきく僕は敗殘の身に託し處を求めて疲勞と辛苦に咽ぶ流浪者の追想と絕望との人生のパイプをくゆらし…

秋雨 丘英二(張良典) (詩ランダム)

秋雨 丘英二 雨!雨!雨!無限の愛と極地の幸福とを私は夜更けに考へて見る。秋風、秋雨それこそ哀愁深い鄕愁の嘆きだ。固い松の葉を打つ雨は私の冷たい意志を叩くやうにそして故鄕を解纜した白帆に頽廢のエレジイをしめらせる。私の情熱は過ぎた幻を追ひ又…