2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧
・窓の銅板 ホトホト鳴る月の鳩舎 花の莢はじけて黄ばみそめた ・霧の中の銃眼 斜面を走る空色のボタン 匂ひわすれて崖の家へ翅(はね)いた ・裝身具 故國に觸れる聰明な音樂 白馬の館に朱線を忘れる ・豁谷の踵 橋のむかうで白い肩から花のやうに睫毛にふれ…
・街燈の影にしほれるコロニイ 踊子達は花束の手術をうけてゐる ・機械になつた踊子達 笑ひを押しつけられて花束が崩れさう ・旅愁の馬が走り去つた 綠のモノロオグ 踊子はナイフの足で滑つてゐた ・海の大きな窓 落下傘が花束になつて浮びあがつてきた ・夢…
PHONO DE CIRQUE 山田一彦ミユジイクの眼鏡をかけたミユジイクはサアカスの遠い聲である ミユジイクの白い馬はサアカスの遠くなる厚い帽子白い馬は寫眞のリボンとともに鍔にうすくなる遠くなる煙の帽子をかむせて居る 『衣裳の太陽』NO.2 昭和3年(1928年)12…
「私の庭球」 ・物質の倫理を・さつと かきみだす、コオトの白い動く 斑點 ・プレイヤアが 作りあげては・こわしてゆく、速力の形而上學。これは。 ・ひらいた右足に・かかる重點、支へた體(からだ)のひねり バツクストロオク。 ・均整された姿態がくづれて …
CINEMATOGRAPHE BLEU 山田一彦 雨のふる虛飾的の夕暮に噴水のある泉のレダが白鳥に乗つて居るあの頭をみてごらんなさい・彼女の聲を聞いてごらんなさい・ エレエヌよ・雨のふらないことと雨のふらないことほど愛することと愛することは違つて居る・エレエヌ…
二重の白痴 ou Double Buste 山田一彦 エツフエル塔のサロメは無花果を載せた皿を廻して居るエツフエル塔のヨハネはフオクが無いのでメガフオンを廻して居る BUSTEの光を浴びた砂漠の聲が土耳古風呂の浴槽にあるテレフオンから聞えてくる・ 『汝サロメよ・五…