綴れない音信  井上多喜三郎  (詩ランダム)

 

綴れない音信

         井上多喜三郎

原稿紙を展げる

 

窻から月がおりてくる

 

風も靑い蚊帳の中

 

いつも下手な僕の字

皆 泳いでいつてしまふ。

 

※「展げる」→「展(ひろ)げる」。原詩は振り仮名あり。

 

『MADAME BLANCHE』第8号 昭和8年(1933年)7月

 



井上多喜三郎 時間
井上多喜三郎 窓

 

 

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