2018-06-17 ハツプスブルグ家の森 近藤東 (詩ランダム) ハツプスブルグ家の森 近藤東 宵闇がお前の室をだんだん暗くする。 お前はそれに逆らつて化粧する。 それは百年づつ昔を物語る。白い下肢のあたりから。 ハツプスブルグ家の森を愛撫する。 僕は僕の旅行を中止する。 鏡の中の椿の花が僕の唇へとんでくる。 天使が跫足をぬすんで退場する。 『MADAME BLANCHE』第3号 昭和7年(1932年)11月詩ランダム