冬の詩  左川ちか  (詩ランダム)

 

冬の詩

           左川ちか

終日
ふみにぢられる落葉のうめくのをきく
人生の午後がさうである如く
すでに消え去つた時刻を吿げる
鐘の音が
ひときれひときれと
樹木の身をけづりとるときのやうに
そしてそこにはもはや時は無いのだから。

 

 


『MADAME BLANCHE』第4号 昭和8年(1933年)1月

 


左川ちか 雲のかたち
左川ちか 白と黒
左川ちか 花咲ける大空に
左川ちか 春
左川ちか 目覚めるために
左川ちか 夢

 


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