窓
酒井正平
~テニスなどして海のそばから帰つてくると水色のシヤ
ツがぬれてゐる アマチユアだといふ昔の友が小娘た
ちにおしへてゐる
~「ボキヤブラリイ」の地方で リボンをむすんだ蝶々
が死んでゐる 「アレゴリイ」の村で 画家は村夫子
とあそんだ
~アンチモネエの花に会つたことがアルカイ 短い着物
をきて アナンの地でさしたといふタアルの様に嗅タ
バコを用ひる
『小さい時間:酒井正平遺稿集』(1953)
酒井正平 画布に塗られた陰について
酒井正平 航海術
酒井正平 肢
酒井正平 説話
酒井正平 その日に聞かう
酒井正平 天文
酒井正平 七日記
酒井正平 果たして泣けるかについてきみは知らない
酒井正平 洋服店の賣子など